縫い目、接着面からの水没。なぜ? 〜修理から学ぶウェットスーツ製作〜
すっかり秋になり秋冬のオーダーや修理のお問い合わせが増えてまいりました。
いつもありがとうございます!
今回は、セミドライやドライスーツで気になる水漏れ。
その水漏れの原因で最も多いのが【縫い目、接着面からの水漏れ】です。
水没原因と修理を解説します。
まずリバーソンドライスーツでも仕入れて搭載してる起毛のブーツ↓
暖かくて丈夫な作りなのですが、修理してるとよく矢印の部分からよく水没します。
直接の原因は、着脱で伸び縮みさせてる内に、パーツを繋ぎ合わせている接着剤が内部で切れて穴が開いています。
穴は小さくて縫い目に隠れていたり見つけにくいです。水没検査をして水漏れ部分を特定させます。
検査を終えて、水漏れ部分を確認して表面の起毛を取り除いて穴発見。大体はその周辺も怪しいです。
伸びる生地に対して【接着剤が耐え切れず穴が開く】のですが、
ウェット用接着剤も様々な種類があります。
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硬い接着剤は初期接着は強いが、硬化が早く接着剤が切れやすい
やわらかい接着剤は初期接着は弱いが、フレックス性がある
毎日修理してるとそんな気がします。
仕入れてるドライブーツの接着剤は硬めで初期接着ガッチリタイプ。
どの接着剤を使うかは、各メーカー全然違います。
接着剤の違いで縫い目からの浸水量が違うと言ってもいい気もします。。
ちなみにリバーソンは柔らかい接着剤を2回塗って
初期接着を強くする作戦をとってます。
ブーツの修理に戻りましてー。
穴を防ぐために下地処理します。
メルコテープは、破れ止めと伸び止めには優れてますが防水テープではないので水没は直りません。
リバーソン特製の防水テープと伸び止めを施して修理完了。
とにかくのその部分だけ伸びないガッチリ修理になってます。
ブーツ交換せず費用も抑えれました。
本当に直ってるか再検査して全ての工程完了!
水没修理1箇所1430円、全身の水没検査4620円です。
そんな修理を毎日していると、ふと閃きます。
リバーソンのドライスーツのブーツに、あらかじめ伸び止めのテープを貼った方が長持ちする!って。
テープも伸びるテープ、伸びないテープ色々ありますが、リバーソンは伸びないメルコテープが良いと思います。
【生地は伸びるが接着剤は伸びない】
そんな伸ばせない部分に伸び止めのテープが長持ちの秘訣だと思って
リバーソンドライスーツは全身にメルコテープ、後股にはさらに伸びを止める特製テープ搭載してます。
それでも、どうしても年数が経つにつれて水没は起こってしまうのウェットスーツ製造者の永遠の課題ですねー。
これからも色んなメーカーのウェット修理しまくって、勉強したノウハウをリバーソンウェットに反映させていきたいと思います!